テレホン法話(平成29年1月)

新年明けましておめでとう御座います。
両津の浦堂寺の山岸秀之です。

ご朱印についてお話しします。
 日本で昔からの主だった霊場に四国八十八ヶ所霊場や西国三十三観音霊場、坂東三十三観音霊場そして秩父三十四観音霊場などがあり、参拝しますと朱印帳にご朱印を受けることができます。
最近神社仏閣に参拝されご朱印を受ける方が大変多くなっております。これは納める経と書いて納経とも呼ばれ、その由来は参拝者が写経してお寺に納めることが始まりです。
ですから昔は納経帳の右肩のところに奉納大乗経典と書かれておりました。現在は奉拝という文字となっております。
 いつの頃かこの作法が簡略化されて、写経を納めなくとも参詣の証しとしてご朱印を頂くことになって今日に及んでおります。そして各霊場を巡拝する巡礼信仰と結びついて盛んになりました。これは観音三十三霊場あるいは四国八十八ヶ所を巡礼し、その全部の霊場からご朱印を頂くと、その功徳によって地獄に堕ちないばかりか、所願も成就するという古来の信仰に基づいているものです。
 このような本来の趣旨からから申しますと、写経はせず、あるいはお堂に入ってお参りもしないで、ただご朱印だけを集めて歩き、また特に佐渡霊場には無住の札所が多く、それを良いことに朱印料を納めず朱印を集めるという心無いことでは、本来の尊い意義を無視してしまうことになり、あるべき姿から離れてしまいます。
少なくとも般若心経など本堂内外で読誦され、その後にご朱印をお受けになることが望まれます。

                                  「金龍山 浅草寺」より引用

アーカイブ